若葉のころ番外編
(その1) 少年は、その日、生まれて初めて買ってもらった自分専用のデジカメを持って街に出た。 それは、初めての給料で、兄が買ってくれたもの。 「お前はこういうの好きそうだからな」 少年は夢中でデジカメの操作方法を読んだ。 結構簡単だった。 これ、おもしろい! 少年は思った。(これはいいおもちゃができたぁ〜) なにを写そう? カワイイ女の子。 それとも、美しく咲いた花。 建物だって、きれいだし・・・。 いつの間にか、少年は桜並木を歩いていた。 ここは春はきれいだなぁ。でも、今は葉っぱだけだし・・・。 そのとき、少年の目に、ふたりの少年?青年?がうつった。 15.6くらい?きれいな人と、かわいい人。 桜の木の下に座っている。 あ、あれ?なにしてるんだ? ああ。ああああ!!ふたりで重なって、何かしてるぅ(^◇^;) 少年は思わずシャッターを切っていた。 そして、すぐにその場を去った。 走って走って・・・何で逃げたかはわからない。 でも、走って逃げなければ行けないような気がして、思わず走り出していた。 やっと一息ついて。 (ふう・・・疲れた) 少年はため息をつく (・・・でも、何だろう?このスリル。 そして、スリルの代償として残った、何とも言えない写真。 きっと現像したらきれいだろう。 ぼくしか見なかったんだ。あのふたり・・・。 もっともっと、こんな気分を味わいたい・・・ ナイトハルト・ミュラー13歳。 隠し撮りの快感を覚えた一瞬であった・・・・・・。 |
ははははは(^◇^;) なにも言わないで!!!