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written by 鏡さま
Ich liede dich 5月1日・・・ ミュラーと付き合って今日で丁度一年。 (付き合い始めて一年。そろそろ・・・) 頬が真っ赤に染まる。 (ど、ど、同棲を・・・・) 「キャ(*/。\*)」 既に一人の世界に入ってしまったセリナであった。 「今日、ミュラーに言わなきゃ・・・」 なにやらつぶやくと気を取り直したセリナは家を出て行ってしまった。 セリナが不可解な思考にふけっている時、ミュラーは・・・ 「う〜ん。休みはいいな」 ミュラーはベッドの上で枕に頬擦りしていた。 「幸せ・・・」 誰かがこないかぎりベッドから離れないであろうミュラーは五月一日が何の日か知っているはずもなかった。 付き合いはじめて一年たったということも。 ピーンポーン 「ん?誰だろう。休みの日なのに」 少し不機嫌になるが、放っておくわけにもいかず寝巻きのまま玄関に向かう。 「誰ですか」 「こんにちは・・・ナイトハルト」 そこには頬を赤らめたセリナがいた。 手にはすずらんのが一輪握られていた。 「きれいな花だね」 「でしょ・・・。これ、あげる!」 なぜか真っ赤になりながらすずらんを一輪、ミュラーの胸にさす。 「あ、ありがとう」 ミュラーはすずらんの花のにおいがあまりにも強いので顔をしかめてしまった。 「それだけ・・・?」 「それだけって?今日のお前変だぞ」 ミュラーは最悪なことを言ってしまった。 「・・・・・もういい」 「え、なんだって」 「もういい!ナイトハルトなんて大嫌い!」 バシッ!!! 強烈な一撃がミュラーの頬にヒットした。。 「なにするんだ・・・・」 ミュラーが体勢を立て直したころにはミュラーとセリナの香水の香りだけが残されていた・・・ 「なんだ?なんなんだ」 わけのわからないミュラーは部屋に戻り考えていた。 「今日はなにかあったかな。すずらん・・・。う〜ん」 やはりわけのわからないミュラーであった。 「あ〜!もうわからない。あの人に聞いてみよう・・・」 そう言うミュラーは着替えを済まし家を出て行ってしまった。 「ナイトハルトの馬鹿!無神経!」 そう言うとまくらを壁に叩きつける。 「なによなによ。もう知らないんだから」 セリナの怒りはそう簡単に収まりそうになかった・・・ ミッターマイヤーの執務室・・・ 「閣下!閣下はいませんか!」 すごい形相のミュラーが飛び込んできたのでバイエルラインは腰を抜かしてしまった。 「あ、バイエルライン!閣下はどうした」 いつも礼儀正しいミュラーのこの態度にバイエルラインは驚いたがいつもロイエンタール元帥にいじめ?られていることを思えば大分ましであった(オイ 「とりあえず落ち着いてください」 「あ、ああ。すまん・・・」 「閣下の居場所を教えて欲しいんですね」 「ああ・・・そうだ・・・」 ニコッと微笑むとバイエルラインは手帳を取り出した。 「えっと、今閣下は海鷲にいますよ」 いったいあの手帳はなんなのか気になったが、今はそんなことを考えている場合ではなかった。 「あ、ありがとう」 いつものミュラーに戻っていた。 「騒がせてすまなかった。急ぐのでこれで・・・」 ミュラーは足早に執務室から出て行ってしまった。 「ふふふ・・・。役に立ってよかったなこれ・・・ふふふ・・・」 その怪しげなメモ帳をポケットにしまうとバイエルラインは仕事に戻った |
チャットをしていて、突然まとまった鏡様との共同企画。
どうぞ、お楽しみください。
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タイトルはカーペンターズの名曲の題名です。椎名林檎と宇多田ヒカルがデュエットした曲でもあります。