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written by 鏡様
PM11:30・・・ 「もう、寝ようかな・・・」 はれた目を擦りながらセリナが部屋に向かおうとした時・・・ バタン! 扉が大きな音をたてて開いた。 セリナが振り返るとそこには花束をもったミュラーが立っていた。 「あ、えっとセリナ。俺が・・・俺が悪かった・・・」 うつむいたまま、ミュラーがつぶやく・・・。 「何言ってるかわからないわよ!」 「だから俺が・・・俺が悪かった!」 二人は黙り込んでしまった。 「今日が何の日かしらなかったんだ。それであんなことを・・・」 もう半泣き状態のミュラーが必死に頭を下げているのをみてセリナは 「もう、いいわよ。本当にあなたはバカね・・・」 とだけいい、ミュラーを家にあげた。 「今日,何の日か本当に知らなかったの?」 セリナのこの問いにミュラーは縦に二回早く首を振った。 「はぁ〜。やっぱりあなたには無理だったのね」 「ごめん・・・。これからはちゃんと勉強しとくから・・・」 「もう、いいのよ。気にしないで」 「うん・・・・」 「もう寝ましょう」 そういって立ち上がったセリナの細い腕をミュラーが引っ張った。 「あの・・・。すずらんの意味わかったんだけど・・・。あの・・・なんていうのかな・・・」 ぶつぶつ言っているミュラーをじっと眺めているセリナ。 「あなたの言いたい事は大体分かったわ。今日あなたに言いたい事があったの」 「何・・・」 「あら、すずらんの意味分かったんじゃなかったの?」 「それは・・・」 「ナイトハルト・・・」 名前を呼ばれたミュラーが顔をあげた瞬間セリナの暖かい唇がミュラーの唇にふれた。 「あなたのことが好き。私と・・・私と一緒に暮らして」 「あ・・・。うん・・・喜んで」 ミュラーの持ってきた花を花瓶に入れてから二人は・・・・・・・(読者の方の想像にお任せします) 「じゃあ何時、俺の家に来る?」 朝起きたミュラーがセリナに訪ねる。 「う〜んとね。明日か明後日」 「わかった。じゃあ家をきれいにしとかなきゃね」 「そうそう。汚かったら怒るからね」 「それだけは勘弁してくれ(汗)」 二人はキスをすると、キッチンに仲良く手を繋いで歩いていった・・・・・・ |
いいなぁ、若いって・・・と思わせるラストですなぁ。
鏡様、転載の許可をありがとうございました!
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