<2>(by 鏡様)


もう一人の自分を見つけたときから意識が・・・
なんだか・・・変な感じだけど・・・
もうどうでもよくなってきた・・・。もう・・・元に戻らなくてもいい・・・
もう、このまま・・・消えてしまっても・・・



もう一人のミュラーはタクシーに乗りあの事件のあった倉庫に向かっていた。
「もうこの体は俺のものだ・・・。もう誰にも渡さない・・・フッハッハッハ・・・・」
ブラスターのエネルギーを確認したミュラーはすこし睡眠をとるために目を閉じた・・・。

一時間後・・・
セリナの連絡を受けたミッターマイヤーが車に乗り込んだころ、ミュラーはあの倉庫前に立っていた。
倉庫はあの後、ある企業の物になっており数人のガードマンが見回りをしていた。
「・・・・・・・・・・」
陰からその様子を伺っていたミュラーが行動を起こした。
ゆっくりと倉庫の入り口に近づいていく。
すると一人のガードマンが近寄ってきた。
「なにか御用でしょうか?」
「いえ、別にそういうわけではありませんが・・・」
「そうですか。では、お帰りください」
「嫌です・・・」
「嫌だって・・・。もし入りたいのなら社長に話をつけてからもう一度来てください」
「そんなに時間はかけられない・・・。早く入らしてくれ・・・」
「だから、話をつけてきたら入れてあげると言っているじゃないですか」
「そうですか・・・。仕方ないですね・・・」
やっと諦めたのかと思ったガードマンが持ち場に帰ろうとしたとき、胸に激痛が走った。
男は激痛の走る穴の開いた胸をみた・・・。
そしてブラスターの引き金を引いたミュラーを見た。
引き金を引いたミュラーは高笑いすると男の横を通り過ぎていった・・・。
「ぐう・・・き・・・さ・・ま・は・・・」
その10秒後、ガードマンは胸をおさえたまま息絶えた。
ガードマンの死を肩越しに確認したミュラーはフッと笑うと倉庫の中に入っていった。

その一時間後、ミッターマイヤーの乗ったタクシーが倉庫前についた。
車を降りたミッターマイヤーはこの世の地獄を見たような気がした。
「これはあいつがやったのか・・・」
ミッターマイヤーの脳裏に不吉な予感が走った。
「急がないと・・・」

「ま・・・待ってくれ・・・。私には妻がいるんだ・・・。それに子供もいるんだ・・・」
「それがどうした・・・私には関係のない事です」
「そんなこといわないで・・・」
「うるさいですよ・・・。それに・・・。もう貴方には関係のない事ですよ、残った人のことは・・・」
「やめてくれ・・・やめて・・・」
バシュー・・・
「こ・・の・・あく・ま・・め・・・」
男は絶命した。
「面白くないですね・・・。もっと私を楽しませてくれる人はいないのですか・・・」
そう呟いたミュラー後ろを振り返った。
後ろには既に十数人の死体が転がっていた・・・。
誰も動かない・・・。しかし・・・
ミュラーはその死体の山の向こうに蜂蜜色の髪の男の姿を見つけることができた。
「あなたは・・・私を楽しませてくれますか・・・」
「お前は・・・!」
「あなたは・・・私を楽しませてくるのですか!」
「・・・・・・・」
「いや・・・。聞かなくてもよかった・・・。私が確かめればいいのだから!」
ミュラーの程よく筋肉のついた体が上に勢いよく飛び上がった。
「やはりこうするしかないのか・・・」


あとがき

変な終わり方ですね。
まあこれはしかたがないのですが・・・(何がだ
どうやらまだ続くようです。
どうか続きも見てくださいね。

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